面白い特許の話 任天堂VS白猫プロジェクトPart1
せっかく知財の仕事をしているので、面白い事件を紹介していきたいと思います!!
皆様は任天堂とコロプラがやりやっているのは知っていますよね???
経緯としては、まず任天堂がコロプラに対し特許侵害をしているとして、
損害賠償44億円だけでなく、差し押さえを行おうとした事件です。
争点
この事件は白猫プロジェクトの特徴である操作手段の「プニコン」が
任天堂が保有しているプログラムの特許権を侵害しているというのが大きな争点
となっています。
任天堂の本気
この事件で任天堂の本気がうかがえるポイントがあります。
それは「特許訂正審判」を行っているところなんです。
この「特許訂正審判」(以後訂正審判)とは特許庁に権利として認められた後に、
権利の範囲を訂正することを求める手段のことです。
便利そうなシステムですがもちろん制約もあり、大きなデメリットとして権利範囲を広げるような訂正は行うことができないということです。
基本的には特許が無効だと訴えられたときに、対抗手段として訂正審判を行うことが多いです。(たまに純粋なミスで出すこともあるよ!!)
さて、なぜこれが任天堂が本気であるといえるかというと、コロプラからの特許無効の抗弁が行われた際に、ピンポイントで白猫をとらえるように特許を訂正しているのです。
コロプラの対応
こんなことされたらコロプラは生きた心地がしないですよね。
しかし稼ぎ頭をつぶしたくないことから、操作方法を変更しています。
ここで、しっかりと侵害していると主張されている権利範囲から外れているのであれば
一番最悪の差止請求を逃れることができ、お金で解決する道が何とか見えてきます。
しかしそれだけでは・・・
しかし、任天堂をしっかりと怒らせたコロプラさんが許してもらえるわけはなく、
操作方法以外の権利でもしっかりと訴えられていました。
その中でも致命的なものとして、「スリープモードからの再開」があります。
昨今のゲームで画面の電源が切れたら初めからのゲームなんて存在していないですよね?
大抵中断データからの復帰ができると思います。
それです・・・・
任天堂はゲーム業界を引っ張ってきた存在であるので、知的財産もたくさん保有しています。
正直独占されたら他社がゲームを作ることが困難になるレベルなのです。
まとめ
さて、今回は概要だけお話していきました。
特許は目に見えないものでも、侵害してしまうと莫大なお金を請求されたり、
世の中に商品を出すことができなくなってしまうんです。
勿論権利を持っているからといって行使する義務はなく、いままで任天堂が黙認していたり、使用を認めていた部分もあります。
しかし、いつでも権利を行使されるという認識がコロプラさんにはなかったのか
疑問に思う強気な姿勢でした。
まだ、この事件は終了していないのでニュースを見ていくと面白いと思います。
次回は本日紹介した「スリープモード」の特許(特-4010533)の中身を見ていきたいと思います。
ぜひ気になる人はブックマークに入れておいてくれると嬉しいです。
今後は特許だけでなく、商標・意匠・著作権にも面白い事件やニュースがあるので
紹介していきたいと思います。
ではまた次の機会に!!
じゃあね!